近年、骨粗しょう症という「骨がもろくなる病気」が一般の方にもよく知られるようになりました。では なぜこのように「有名な病気」になってしまったのでしょうか。それはこの骨粗しょう症が一般的には高齢になるほどその程度が強くなるので、高齢化社会を迎えているわが国では骨折の患者さんは年毎に多くなっているからです。
人の体はたくさんの細胞からできています。骨にも細胞があります。骨を作る細胞と溶かす細胞があります。これらの細胞が働いて骨が出来たり、壊されたり、骨も絶えず新陳代謝をしています。正常の骨では、作られるのと壊されるのとが同じ割合のために骨の強さや厚さは一定に保たれています。
しかし何かこれらの細胞の働きに影響する変化が起きると、この二つの細胞の働きにアンバランスを生じ、骨が柔らかくなったり、硬くなりすぎたりするのです。たいていの場合には弱くなります。これが骨粗しょう症なのです。
骨粗しょう症の人は、太ももの付け根(大腿骨頭部)を骨折する例が多いのですが、年をとってからこの部分を骨折すると、そのまま寝たきりに発展する恐れがあるのです。しかし、骨がもろくなるのは「老化」と考え、予防や治療を行わずに放置する場合が非常に多いとも言われています。
骨粗しょう症を放置すると骨折の危険性が高まり、高齢者では骨折から寝たきりへとつながってしまうこともあります。骨粗しょう症は「単なる老化」ではなく治療が必要な「病気」だということを理解しておきましょう。
骨粗しょう症は、骨量が低下することによって骨がスカスカになって折れやすくなる病気ですから、骨量が低い人が骨粗しょう症になりやすいといえます。骨の形成は20歳まで盛んに行われ、その骨量は30~40歳代まで持続、増加します。
しかし、それから年齢を重ねるにつれ、次第に骨量は減少してきます。年齢に比例して骨粗しょう症になりやすいのです。特に女性は、元々骨を丈夫にするカルシウムが男性に比べ少なく、妊娠・授乳でカルシウムを大量に失ってしまうので骨粗しょう症になる人の割合が高くなります。
さらに骨をつくる女性ホルモンの分泌が閉経とともに減少し、骨のカルシウムが減ってしまい骨がもろくなるからです。閉経後の女性はは数年すると骨が20~30%も弱くなるため、この時期の予防が大変重要となります。しかし骨粗しょう症は、高齢者特有の病気ではありません。
最近では、無理なダイエットによってホルモンのバランスを崩してしまい、骨への代謝が悪くなり、これにより必要以上にカルシウムをつかってしまい、骨粗しょう症になっている方が急上昇しています。その他にも運動不足、偏食過度の飲酒、喫煙やカフェインの摂取なども骨粗しょう症になりやすい原因になのです。したがって生活習慣や食生活、体質、女性であることなど、骨粗しょう症になる要因はさまざまです。
加齢によってだれしも少しづつ骨は弱くなっていきますが、生活習慣、食生活などを改善し、「骨太」を心がけることによって、その速度を遅らせることはできます。 できるだけ若い時から骨を弱くする要因を減らすことが、骨粗しょう症を予防するポイントと言えるでしょう。
骨粗しょう症の原因として考えられることの1つは老化です。骨も新陳代謝を繰り返しています。新しい細胞を作り、古いものを破壊しています。しかし、新しい細胞をつくる働きが遅くなってくることで、骨粗しょう症が起きます。
骨粗しょう症は、女性に多いのが特徴ですが、その原因は女性ホルモンに非常に関係しています。閉経後に女性ホルモンは急激に減少しますが、女性ホルモンには骨の破壊を抑える、骨の形成を助けるといった働きがあるために閉経後は骨粗しょう症になりやすくなります。
他にも骨粗しょう症の原因には、生活習慣が考えられます。食生活の偏りはまさにそれです。日本人はもともと、カルシウムの摂取量が少ないと言われていますが、カルシウム不足は骨粗しょう症の原因となってしまいます。また、塩分の摂りすぎやお酒、カフェインを含むコーヒー、コーラなどの飲料水は、尿へカルシウムの排出を増やしてしまう原因につながります。
喫煙は胃腸の働きが悪くなってしまい、そのため、カルシウムの吸収能率の低下につながってしまいます。他にも運動不足によって骨が弱くなっていることが挙げられますし、日光浴が足りない、家にばかりいる、外にでないといったことも原因になってしまいます。
また、骨粗しょう症は、加齢や閉経以外の原因でも生じます。たとえば、バセドウ病などの甲状腺機能亢進症、関節リウマチ、糖尿病などの病気や、胃切除後、ステロイドの長期内服などで骨粗しょう症が生じ易くなります。このように骨粗しょう症の原因は、単に加齢だけが原因ではありません。日ごろの食生活などといった生活習慣の改善を心がけましょう。
骨粗しょう症の症状は、実は症状がある場合とない場合に分かれます。まず症状がある場合とは、骨粗しょう症が原因である程度骨に変形を起こしたり、あるいは骨折が明らかな場合です。例えば頑固な腰痛があり、病院を受診したところ、腰椎の圧迫骨折があったというのは典型的なケースです。特に大腿骨頚部骨折の場合は、明らかな受傷機転があり、痛みのため歩行困難になることがほとんどです。
反対に症状のない場合とは、最近骨密度測定を健康診断で実施する機会が増えており、その折りに骨密度低下を指摘されて、病院を受診する場合がほとんどです。また自分の身近に骨粗しょう症で治療を受けた方がいたり、マスメディアなどの情報を見て心配になり受診するというケースも増えてきています。
該当する症状がある場合は、まず本当にその症状の原因が骨粗しょう症によるものなのかを見極める必要があります。明らかに骨粗しょう症による症状であることがわかれば、症状に対する治療とともに、骨粗しょう症を改善する治療が必要になります。
症状の原因が骨粗しょう症ではない場合は、原因となっている疾患に対する治療が必要となります。症状がない場合は、まず正確な骨密度の検査により骨量を測定し、骨粗しょう症かどうかを判断します。骨粗しょう症と判定された場合は、一般的な診察や、骨のレントゲン検査等により骨粗しょう症としてどの程度の治療が必要か医師としっかり検討しましょう。
骨粗しょう症は大変怖い病気です。では骨粗しょう症を早期発見できる方法があるのでしょうか。また自覚症状はあるのでしょうか。残念ながら、骨粗しょう症は初期には自覚症状がほとんどありません。背骨が押しつぶされるように骨折して、背中や腰が痛んだり、背がまるくなって身長が低く見えたりします。
骨粗しょう症は以前から自覚症状がないまま骨が徐々に失われていくことから、「サイレント・ディジーズ(沈黙の疾患)」と呼ばれています。かなり病気が進行して初めて、腰や背中が痛いとか、背が縮んでくるなどの自覚症状が現れます。骨折してから、骨粗しょう症に気づくこともあるほどです。
70歳以上の骨粗しょう症の人は、大腿骨頚部が折れやすくなります。すると、歩けなくて寝たきりになる原因にもなりますから、かなり深刻なのです。また、一番最初に症状が出るのは背骨です背骨の構造はスポンジ状でとても代謝が盛んな部分ですが、こういった部位は変化が起こりやすいのです。
その他には転倒することで、胸椎や腰椎、大腿骨頚部にも多く骨折が見られます。また、転んでふと手をついた時などは、手首やろっ骨が折れやすくなります。骨粗しょう症の早期発見には、骨量の測定が一番です。年齢を問わず、自分の骨量を測ってどの程度か知りましょう。早めに対応すれば骨量の減少を緩やかにすることも可能です。
骨密度測定器の普及で診断の機会は増えましたが、1千万人と推定される患者のうち治療を受けているのは、なんとたった20%にすぎないといわれています。
食生活の変化、便利なものに囲まれる暮らしは、私たち現代人の骨量を減少させる要因のひとつになっています。つまり現代人のライフスタイルは、骨粗しょう症になりやすいものといえます。 現在では発病してからでも運動療法や食事療法、投薬による治療などが可能になりましたが、近年の医学は病気になってから直すのではなく病気になる前に予防する医学、セルフケアが重視されてきています。
やはり早いうちから骨の健康度をチェックして健康な骨とからだを保って予防したいものです。その為には現在の自分の状態をよく知ることから始めましょう。まずはそれぞれの項目をチェックしてみましょう。そうして普段の生活を改善して病気の進行を防ぐことが大切です。
□タバコを吸っている。
□アルコールをよく飲む。
□どちらかといえば体型は細身である。
□最近背が縮んだ、腰か曲がってきた。
□じっとしていても背中や腰に痛みを感じる。
□ちょっとしたことで骨折したことかある。
□牛乳、∃一グルト、チーズなどの乳製品はあまり食べない。
□豆腐、納豆などの大豆製品もあまり食べない。
□好き嫌いが多く、食事が偏っている。
□閉経した。
□運動不足で、日常体を動かすことがほとんどない。
□外に出ることが少ない。
□移動は主に車を使う。
□若い頃にダイエットをしたことがある。
□ステロイドホルモンを服用している。
チェック項目で10個以上当てはまった方は、要注意です。専門医による診察を受けて日頃から病気についての正しい知識を得て不規則な生活習慣を改善しましょう。
