日光に含まれている紫外線は、皮膚の下でビタミンDを作ってくれるだけでなく、細菌を殺す効果や体の免疫力を高める効果のあるなど人の体にとって大変役立っていることが知られています。
一方で、余りにも強い紫外線を浴びてしまうと、皮膚に炎症を起こし、炎症が治まる際には色素沈着を生じ、また炎症のために細胞が分裂増加する際に誤ってがん細胞を作ってしまうことがあります。このように日光浴の有用性よりも有害性のほうがインパクトが強いですが、日光による皮膚がんの発生率はごく僅かです。
それに比べて骨折予防・病気予防など日光による健康維持・増進効果は著しく、日光浴の機会を少なくする必要なあまりないでしょう。とはいえ「白い肌を保ちたい」、「皮膚がんの危険性を少しでも少なくしたい」と考えておられる人もいますので、それらの人はUVカットクリームを塗って黒い長袖、黒い日傘がおすすめです。これらを使うことによって紫外線は相当カットされます。
女性の50%はビタミンD不足であるといったデータがありますが、それにはUVカットクリームも関係しています。また、冬にビタミンD不足が目立つなどが分かっています。ところが、1日に必要なビタミンDの量は100単位とされていますので、その程度のビタミンDを皮膚で作るには両方の耳を3時間ほど太陽に当てるだけで十分で、夏ならば木陰で30分、冬なら手と顔に1時間も太陽をあてれば十分です。
短い時間の日光浴でもビタミンD産生に効果がありますが、日光浴の代わりにサバ、イワシなど背の青い魚を食べることによってもビタミンDは補えます。
骨粗しょう症ってどんなものなのでしょうか。近年では、骨粗しょう症という「骨がもろくなる病気」が一般の方にもよく知られるようになりました。それでは このように「有名な病気」になってしまったのでしょうか。それはこの骨粗しょう症が一般的には高齢になるほどその程度が強くなるため、高齢化社会を迎えている日本では骨折の患者さんは年毎に多くなっているためです。
人の体はたくさんの細胞からできており、もちろん骨にも細胞があります。骨を作る細胞と溶かす細胞があります。これらの細胞が働いて骨が出来たり、壊されたりしています。そして骨も絶えず新陳代謝をしています。正常の骨では、作られるのと壊されるのとが同じ割合のために骨の強さや厚さはある一定に保たれています。しかし何かこれらの細胞の働きに影響する変化が起きれば二つの細胞の働きにアンバランスを生じてしまい、骨が柔らかくなったり、硬くなりすぎたりすることもあるのです。
ほとんどの場合には弱くなります。これが骨粗しょう症なのです。骨粗しょう症の人は、太ももの付け根(大腿骨頭部)を骨折する例が多いのですが、年をとってからこの部分を骨折してしまうと寝たきりに発展する恐れがあるのです。しかし、骨がもろくなるのは「老化」と考えてしまい、予防や治療を行わずに放置する場合が非常に多いとも言われています。骨粗しょう症を放置してしまうと骨折の危険性が高まってしまい高齢者は骨折から寝たきりへとつながってしまうこともあります。骨粗しょう症は「単なる老化」ではなくて治療が必要な「病気」だということをきちんと理解しておきましょう。
