骨粗しょう症の食事療法は、特にカルシウム、ビタミンD、ビタミンKなど、骨密度を増加させる栄養素を積極的に摂取し、骨を丈夫にすることです。カルシウムとビタミンDを同時に摂りますと、腸管でのカルシウム吸収率がよくなります。また、タンパク質の摂取量が少ないのも骨密度の低下を助長しますので、食事量が少なくなりがちな高齢者の方は注意が必要となります。
ではカルシウムを多く含む食品はどんなものがあるのでしょうか。牛乳、乳製品、小魚、干しエビ、小松菜、チンゲン菜、大豆製品などに多く含まれます。なお、カルシウムの摂取目標量は、1日800mg以上です。高齢者の場合、800mg摂取することで、体内のカルシウム出納がマイナスにならないことが分かっています。
次にビタミンDを多く含む食品は、サケ、ウナギ、サンマ、メカジキ、イサキ、カレイ、シイタケ、キクラゲなどに多く含まれています。ビタミンDの摂取目標量は、1日400~800IU以上です。ビタミンKを多く含む食品は、納豆、ホウレン草、小松菜、ニラ、ブロッコリー、サニーレタス、キャベツなどに多く含まれています。
ビタミンKの摂取目標量は、1日250~300μg以上です。また、塩分のとりすぎには十分注意しましょう。塩分をとりすぎるとカルシウムの利用が悪くなります。あまり知られていませんが、リン、マグネシウムも必要な栄養素になります。
リンは穀類や肉類に、マグネシウムは幅広い食品に含まれ、両方とも骨の材料になります。ただし、リンのとりすぎはカルシウムの吸収を妨げるので気をつけましょう。栄養素を意識しながら、栄養やカロリーのバランスがよい食事を規則的に取るのが、食事療法の基本となります。
骨粗しょう症ってどんなものなのでしょうか。近年では、骨粗しょう症という「骨がもろくなる病気」が一般の方にもよく知られるようになりました。それでは このように「有名な病気」になってしまったのでしょうか。それはこの骨粗しょう症が一般的には高齢になるほどその程度が強くなるため、高齢化社会を迎えている日本では骨折の患者さんは年毎に多くなっているためです。
人の体はたくさんの細胞からできており、もちろん骨にも細胞があります。骨を作る細胞と溶かす細胞があります。これらの細胞が働いて骨が出来たり、壊されたりしています。そして骨も絶えず新陳代謝をしています。正常の骨では、作られるのと壊されるのとが同じ割合のために骨の強さや厚さはある一定に保たれています。しかし何かこれらの細胞の働きに影響する変化が起きれば二つの細胞の働きにアンバランスを生じてしまい、骨が柔らかくなったり、硬くなりすぎたりすることもあるのです。
ほとんどの場合には弱くなります。これが骨粗しょう症なのです。骨粗しょう症の人は、太ももの付け根(大腿骨頭部)を骨折する例が多いのですが、年をとってからこの部分を骨折してしまうと寝たきりに発展する恐れがあるのです。しかし、骨がもろくなるのは「老化」と考えてしまい、予防や治療を行わずに放置する場合が非常に多いとも言われています。骨粗しょう症を放置してしまうと骨折の危険性が高まってしまい高齢者は骨折から寝たきりへとつながってしまうこともあります。骨粗しょう症は「単なる老化」ではなくて治療が必要な「病気」だということをきちんと理解しておきましょう。
