食事や運動だけでなく、薬の力も使って骨粗しょう症を治療していきます。骨粗しょう症の治療薬は、骨量の減少の抑制、骨量の増加、骨折の予防を目的に使用します。治療薬は、1週間2週間で内服効果が現れるものはありません。半年毎に骨量を調べながら薬の内服を続ける必要があります。骨粗しょう症の薬物療法の原則は、日本人は平均してカルシウムの摂取量が少ないため、基礎治療薬としてカルシウム剤が併用されて利用されることが多いといえます。
閉経後の更年期の女性では、骨量の減少に対して女性ホルモンの補充療法がよいとされますが、女性ホルモンの使用できない場合や使用をしたくない場合などには、ビスフォスフォネート製剤が第一選択とされます。
骨粗しょう症薬物療法は、ガイドラインによると原則としてひとつの薬で治療を開始することがすすめられ、経過を見て1種類の薬で効果が見られない場合や効果が頭打ち状態になった場合には、他の薬剤に切り替えたりします。重症の場合は、作用機序の異なる薬を併用することも考えるとされていますが、薬剤変更の基準は明確ではなく、実際にはいくつかの骨粗しょう症用の薬を組み合わせて使用していることが多いのです。
骨粗しょう症薬物療法の基本になるカルシウム製剤は、活性型ビタミンD3製剤との併用においてはカルシウムが過剰にならないように注意が必要ですが、すべての薬との併用が勧められています。骨粗しょう症の薬物治療を行なうに当たって問題とされるのは、まずどういう薬剤を使用するのか、薬剤選択の問題や薬剤使用効果の予測の困難さがあげられています。
また、効果が見られない場合には、他の薬剤への変更が必要になりますが、効果判定の基準はどうするのか、あるいはどんな薬剤に変更するのがよいのかなど明確にされていない問題も多々あるのです。また、ホルモン補充療法に伴って乳がんのリスクが高まるなどの薬の副作用の問題や投与期間はどの位が妥当なのかなど未解決の問題も多いのです。こうした問題点が整理されて、より骨粗しょう症の薬物治療の効果が上がるよう期待されています。
骨粗鬆症になることは防げないのでしょうか。残念なことに老化によって骨量の減少は誰にでも起こることです。しかし、最大骨量が高ければ、骨量が減ったとしても骨粗鬆症になる危険ゾーンに入ることはないといえるでしょう。最大骨量を高くするためにはどうしたらよいのかというと、子どものころから栄養や特にカルシウムをきちんと摂ることが大切です。
また、骨量が減少しはじめたとしても生活習慣を改善することによって減少のカーブを緩やかにすることが可能です。そして骨粗鬆症を予防することとが可能になります。骨粗鬆症は高齢者、とくに閉経後の女性に加えて、次のような人に多く発症しています。近親者に骨粗鬆症の人がいる人です。これは遺伝と骨粗鬆症を招く生活習慣が家族で似ているためです。
また小柄でやせている人です。これは骨量が低い上、重い重力が骨にかからないので骨が弱い人が多いことがあげあれます。あとは下痢をしやすい人です。とくに牛乳を飲むと下痢をする乳糖不耐症(にゅうとうふたいしょう)の人の場合は、カルシウムを摂取しにくい体質なので骨粗しょう症になりやすいといわれています。
骨が減っていくメカニズムについてご紹介します。骨の主原料であるカルシウムはその99パーセントが骨にあります。そしてカルシウム量を調整したり貯蔵するといった役割をもっています。残りの1パーセントは血液の流れにのり、全身の臓器の機能を正常に保つというような重要な役割を担っています。 血液中のカルシウムが不足してしまうと骨に緊急指令が出されますのでカルシウムを放出します。
無理なダイエットなどをすることによって骨のカルシウムが放出されると、残存量が限界を超えてしまい骨がスカスカな状態になってしまいます。骨は新陳代謝が活発に行われていますので1つの骨が新しい骨に変わるのには約4ヶ月かかります。そして骨の細胞の中には、骨を作る細胞と骨を壊す細胞があって2つの細胞がバランスよく働くことによってつねに丈夫な骨を保つことができています。
この新陳代謝をサポートする助っ人が、「活性型ビタミンD」や「エストロゲン」「副甲状腺ホルモン」などです。ビタミンの摂取やホルモンの分泌が老化などによって減少してしまうと骨量が減ってしまうのです。骨量は成長とともに徐々に増えていき20歳くらいまでに形成されます。そして20~40歳でピークを迎えてから緩やかに減少していきます。
40歳以降の骨量の減少は老化による自然な現象です。そして、内臓の働きが衰えて腸管からのカルシウム吸収が低下することや、骨を作る細胞と骨を壊す細胞のバランスが乱れることもあります。また、細胞の働きが低下するために起こります。女性の場合には閉経後、骨量が急激に減少してしまいます。これはエストロゲン(骨が壊れるのを防ぐ女性ホルモン)が、閉経とともにほとんど分泌しなくなるためです。
骨粗鬆症ってどのような病気なのでしょうか。骨粗鬆症とは骨の量が減ってしまいスカスカになった結果、骨がもろくなってしまうという病気です。骨量というものは健康な人でも加齢とともに減少してしまいます。しかし、同年齢の人よりも骨量が減ってしまい骨の密度が著しく減少した状態を骨粗鬆症とよんでいます。日本の骨代謝学会の診断基準によれば若い人の平均骨量の80%未満を「骨量減少」と呼んでいます。
そして、70%未満を「骨粗鬆症」としてよんでいます。発症率は40歳代で約1割となっており50歳代で約2割で、60歳代になると3人に1人が骨粗鬆症にかかっているといわれています。骨粗鬆症の大きな特徴つぃては、初期の段階ではほとんど自覚症状がないということです。それは本人が気づかないうちに進行してしまいます。そして突然として、ちょっとしたことで骨折してしまうケースも多いのです。
現在では、寝たきりになる原因の第2位が骨粗鬆症となっています。ちなみに1位は脳内血管障害です。骨粗しょう症でおこった骨折は通常の骨折とは異なるのでしょうか。骨粗鬆症による背骨(脊椎・せきつい)の骨折というものは、圧力がかかってしまい徐々に縮んで腰や背が曲がる「圧迫骨折」を起こしてしまいます。初期は背骨や腰に慢性的な鈍い痛みを感じます。やがて体の重みから骨が変型してしまいます。その部分がまわりの神経に触れてしまうため、刺すような痛みを感じることもあります。このような痛みを感じたら、すぐに病院で検査を受けるようにして早めに治療を行ったほうがおいでしょう。